【ゴルフの裏ワザ】UD+2開発物語
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飛び系アイアン”が大人気になっていますが、その発端は2014年発売の初代『インプレスRMX UD+2』でした。
+2とは2番手の飛距離アップという意味で、『UD+2』は初代も2代目も人気モデルとなりました。
しかし、実はヤマハが“+2番手”を追求したのは5年前からではない。
『UD+2』シリーズの誕生前からヤマハには“+2番手の伝統”があったのです。
10年、20年前から続く“+2番手”の伝統です。
UD+2の原型モデルは、2010年に発売されたシニア向けの『インプレスX クラシック』でした。
このモデルはシニア層のゴルファーが“番手以上の飛距離”を飛ばせるコンセプトで購入者からも『飛ぶ!』と評判でした。
それをアベレージ向きにしたのが『UD+2』です」
さらに、時代を遡ると2004年 の『インプレスD』ドライバーでも“20ヤードの飛距離アップ”が開発テーマになっていました。
今年発売の3代目について、開発担当者は「まず、前作より絶対に飛ぶことが開発のテーマでしたと言っています。
他社からも飛び系アイアンが続々と発売されているので、飛距離で負けるわけにはいきません」
改良した点は重心でした。
3代目『UD+2』アイアンのヘッドパーツを見ると、ヒール内部が大きく削られていた。
「実は当社契約の藤田寛之プロのアイアンの打球痕を調べると、打点は少しヒール側にあるんです。
それは理に叶っていて、一般的なアイアンのヘッドはネックの重さによって重心がヒール側になります。
だから、本当は少しヒール側で打ったときに最も飛距離が出せるんです。
しかし、『UD+2』のターゲットであるアベレージゴルファーは、センターで打つ人が多い。
だから、今回はヘッド内部のヒール側を大きく削って、重心をセンターに近づけました」
さらに重心の高さについても、『UD+2』が他社の飛び系アイアンと違う点があると言う。
「他社製品の飛び系アイアンの重心の高さを調べると地面から20㎜から25㎜ですが、『UD+2』は19 ㎜で最も低い。
よく、飛び系アイアンは“5番アイアンに7番と書いているだけじゃない”という声もあるのですが、7番アイアンの定義として“グリーンを狙う番手”だと考えています。
だから、『UD+2』は低重心によって打ち出しも高くて、スピンが効く。アイアンらしい弾道で飛ぶだけでなく、狙えるのです」
ロフトを立てて、シャフトを伸ばし、低・深重心にして球を上げやすくする。
世の‟激飛びアイアン”の大雑把な仕組みだ。そんな中で『UD+2』が高い支持率を誇るのはなぜか。
「絶対的に飛ぶこと」、これは大前提です。
加えて「アイアンらしい弾道」で飛ぶ、これが大きいと思います。
スピンが入りやすく、しっかり止まるということです。
その理由が「超低重心」。
重心高は、一般的なモデルより約2ミリ低い(18ミリ)設計です。
重心の下に当たりにくいのでロフトが立ちにくく、スピンの入った高弾道が打てます。
高重心のほうがギア効果でスピンがかかる印象がありますが、
ドライバーならそういったことが起こるが、アイアンではロフトが立つだけで、スピンは増えません。
「UD+2」の設計ポイント
ポイント① 打感に工夫、“鍛造ボディ”で締まった音と打感にし、鋳造はポケットの開口部が大きく響く音になっています。
さすが楽器メーカー、音にこだわっていました。
ポイント② 反発性能では、ソール部を拡大して反発力を高めたフェースにしあげている
L字型フェースのソール部を広げたことで広い範囲ではじき、COR値は0.822を誇る。
ポイント③ 低重心で深重心にするため、トップブレードの内側を削り余剰重量を捻出
トップブレードの軽量化で得た余剰重量を低重心で深重心心に生かし、より高弾道に。
さらなる仕組み
シャフトは、先端のたわみを抑えエネルギーロスを防ぐ
先端に重りをいれ、インパクト時のエネルギーロスを最小限にし、飛距離につなげる
安定感を増すため、大型ヘッドでヘッドの直進性が高い
高い慣性モーメントに加え、ワイドソールで打点のズレやダフリに強い
抜けをよくするため、フリックオフソールで悪いライでも抜けが良い
段差を付けた独自のソールで、薄芝やバンカーでもスムーズに抜ける
ポイント⑦ ヘッド形状では、トップブレードと平行なラインを作り、ソールの出っ張りが気にならないように、トップブレードとソールのラインを揃えた。
ポイント⑧ 弾道は、低ロフトながら圧倒的な高弾道が打てる
超低& 超深重心により、高弾道でかつスピンの利いた弾道で攻められる。
ポイント⑨ ネック形状は、グースネックを選びつかまる”安心感を前モデルよりもグースの度合いを大きくして、やさしくボールがつかまるように設計している。
芯の下に当たりにくいからボールがよく上がるんですね
打ちやすいアイアンモデルの開発とともに、飛ぶアイアンを目指した、コンセプトがそこにあった